貫入がつくる、淡い青磁の地模様
釉薬と素地の収縮率の違いから器全体に貫入が広がります。窯出し後に「ぴーん」と鳴る貫入音も大堀相馬焼を象徴する特徴です。
「青ひび」の器を知り、再び火が入った発祥の地へ向かう。
大堀相馬焼は、浪江町大堀で300年以上受け継がれてきたやきものです。震災と原発事故で窯元は各地へ避難しましたが、産地はそこで終わりませんでした。現在は浪江町中心部で各窯元の作品を一堂に見られ、大堀では「陶芸の杜おおぼり」の登り窯が復旧し、陶吉郎窯も大堀工房を再開しています。旅では、現在の器と発祥地の再生を一続きで見ます。
器の技法だけでなく、その産地がどう受け継がれているかまで知りたい人。福島・浜通りの現在を自分の目で見たい人。買い物、陶芸体験、歴史展示を一つの旅につなげたい人に向いています。
陶芸の杜おおぼり周辺は2023年3月に避難指示が解除され、2024年には登り窯が14年ぶりに焼成。陶吉郎窯の大堀工房も2024年6月に再開しています。大堀地区にはなお立入り条件が関係する区域があるため、現地では案内・標識に従い、公開施設と訪問先を事前確認して巡ります。
Photo: Takuya Matunaga / CC BY-SA 4.0器や素材、かつての制作風景、周辺の景観を写真で紹介します。

大堀相馬焼の急須。器の形や釉薬の表情を近くから見られる写真です。
Photo: Takuya Matunaga / CC BY-SA 4.0大堀相馬焼は「産地再生」の背景だけで語らず、器そのものの違いを先に押さえると現地での見え方が変わります。
釉薬と素地の収縮率の違いから器全体に貫入が広がります。窯出し後に「ぴーん」と鳴る貫入音も大堀相馬焼を象徴する特徴です。
内側と外側を二重にした独特の構造で、熱い湯を入れても持ちやすいよう工夫されています。装飾ではなく、日用品としての発想が見える技法です。
相馬藩の御神馬を題材に、一気の筆致で描く「走り駒」。青ひび、二重焼と並び、大堀相馬焼を見分ける代表的な手がかりです。
今の大堀相馬焼は、一つの窯元集落だけで完結しません。窯元が各地で作り続ける現在と、大堀で始まった歴史をつなぐ旅です。

道の駅なみえの「なみえの技・なりわい館」では、震災後に各地で再開した窯元の作品をまとめて展示販売。伝統的な青ひびや走り駒から、現在の作風まで見比べられます。
Photo: Takuya Matunaga / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0陶芸の杜おおぼりには歴史資料や震災時の窯元の被害に関する展示があり、復旧した登り窯にも再び火が入りました。さらに大堀に工房を戻した窯元もあります。失われた産地の記念館ではなく、現在進行形で再生する窯場として訪ねます。
先に現在の作品を見てから大堀へ行くと、「何が受け継がれ、何が変わったのか」が分かりやすくなります。
全窯元の作品を見比べ、青ひび・二重焼・走り駒の基本をつかみます。陶芸体験を入れる場合は事前予約を。大堀相馬焼コーナーは10:00〜17:00、火・水曜休みです。数値の根拠:大堀相馬焼組合・なりわい館 / 確認:
浪江町中心部から大堀地区へ移動。公開施設以外も含めて一帯を自由に歩き回る旅にはせず、訪問先と通行条件を確認して動きます。
歴史、明治期の作品、製造機材、震災被害の展示を見て、復旧した登り窯へ。開館は金・土・日・月曜と祝日、10:00〜15:00(最終入館14:30)が現在の公式案内です。数値の根拠:浪江町・陶芸の杜おおぼり(2026年9月14日更新) / 確認:
器選び・体験の拠点は浪江町中心部。発祥地の歴史と登り窯を見る拠点は大堀です。両方を見るなら車でつなぐのが現実的です。
円は正式な避難指示区域・産地境界を示すものではなく、旅の位置関係をつかむための目安です。
地図はOpenStreetMapを利用しています。大堀地区では現地の通行規制・案内標識を優先してください。
全窯元の作品展示販売と陶芸体験。旅のスタート地点に向きます。
大堀相馬焼の歴史、窯元の被災、復旧した登り窯を発祥地で見る拠点です。
2024年6月に大堀で再開した窯元。営業時間10:00〜18:00、火曜休みの案内ですが、公式は来店前の連絡を勧めています。数値の根拠:陶吉郎窯公式・大堀工房(来店前に要連絡) / 確認: